映画 パラサイト 細かな伏線解説
こんにちはゆさっぷです!
私の趣味は映画鑑賞です!そんな映画をたくさんの人に知ってほしいという思いで記事を書いています!
今回紹介するのはパラサイトです!
2020年アカデミー賞で外国語映画史上初となる作品賞を取った韓国映画パラサイトの細かな伏線について説明していきたいと思います。監督は「追憶の殺人」「母なる証明」などで知られるポンジュノ監督がメガホンを取った。
出演 ソン ガンホ キム ギテク役
チャン ヘジン キム チュンスク役
チェ ウシク キム ギウ役
パク ソダム キム ギジョン役
イ ソンギュン パク ドンイク役
チョ ヨジョン パク ヨンギョ役
チョン ジソ パク ダヘ役
チョン ヒョンジュン パク ダソン役
イ ジョンウン ムングァン役(家政婦)
パク ミョンホン グンセ
※ネタバレ注意!!鑑賞予定の方はお控え下さい!
目次
- 水石の意味
- ダソンは全て気づいていた!?
- 地下のコンドームの意味
- 家に飾られているダソンの絵
- 実は男女格差も表されている!
- 隠しきれない貧乏一家と金持ち一家の差
- キム一家の家族団欒シーンの違い
- ラストシーンは誰の妄想!?
- ギジョンの死
- カメラワーク(貧乏一家と金持ち一家の見せ方の違い)
- 水石の意味
長男ギウが友人のミニョクから家庭教師を頼まれた際に貰ったこの水石。この水石には金運などがあり、ギウ自身が象徴的だ!今の僕たちにぴったりだと発言していた。ギウは4度受験を失敗し、今度こそはという思いがある。この水石はいわばギウにとって、夢や欲望の詰まった物と言える。大雨で家に戻った時にはギウは真っ先に、この水石を手に取った。
次の日のダソンの誕生日パーティーが行われてる中ダヘにもっといいことをしようと誘われる。しかしギウはそれを断り、水石を胸元に抱え、地下へと降りていった。本来であれば結婚を考えているという人に誘われたら普通は断らない。あの時のギウはそれ以上の決意を持って、ケリをつけに行くのだが、最終的にグンゼに大事に抱えていた、水石で頭を殴られ一生の傷を負ってしまうことになる。どんなに願ってもそれは叶わないのだろうか、、、ギウは責任を取るどころか、家族すら守れなかったのである。
2.ダソンは全て気づいていた!?
パク一家の息子ダソン。インディアン好きのどこにでもいそうな子供である。しかし、ギウが初めて家に訪れたとき懐いていたのは家政婦のみであった。母のヨンギョがダソンの体を触れるシーンは一切ない。そんなダソンはキム一家の匂いが一緒だと気づき家のモールス信号にも興味を示していた。キャンプから帰ってきた時家にキム一家が隠れていたが、ダソンが庭のテントで寝たのは恐らく匂いを敏感に察知したためだと思われる。
3.地下のコンドームの意味
家政婦の夫グンセが地下暮らしをしているシーンで一瞬コンドームが映るシーンがある。このパラサイトという映画では常に経済格差が表されている。基本的にはパク一家とキム一家の対極を表している。
しかし、地下の男グンセが登場することで、このパラサイトでの最下層を表している。
コンドームが写ったのは、地下では子供を育てる事が出来ない。半地下で暮らすキム一家でさえ、子供と楽しく暮らしている。この映画の最下層にいるグンセとムングァンは、最後の最後まで報われないのである。
4.家に飾られているダソンの絵
ダソンが描いた絵が家に飾られている。この絵をヨンギョは、才能があると言い、これをきっかけにギジョンのパラサイトを成功させてしまう訳だが、ダソンの才能はあながち間違いではなかったのかもしれない。
前にダソンの誕生日パーティーを家で行った時、深夜に冷蔵庫のケーキを内緒で食べている時に奥の部屋から幽霊が見え、気絶してしまう。その幽霊というのが、地下の男グンセであり、その飾られている絵のモチーフとなっている。
よく見てみると、首元に血がついている。
まさに、予言されたような絵である。
5.実は男女格差も表されている!?
このパラサイトという映画では常に経済格差を意識させる表現がされている。
しかしその中でパク一家のメンズ側とウーマン側で、違いがある所を発見した。
それは、危機感である。
どういうことか、ダソンは同じ匂いに気づいていた。ドンイクもギジョンが車にパンツを落としていったことに、少しおかしくないかと怪しんでいた。しかし、ヨンギョは一切怪しむシーンがない。ダヘも家にどんどん知らない人が仕えていく中気にする素振りは1つもない。
危機感の違い。これも映画パラサイトの表現の1つである。
6.隠しきれない貧乏一家と金持ち一家の差
パラサイトに成功したキム一家だが、ダソンに匂いが同じだと言われ、半地下の家で洗剤を変えようという話が出るが、これは半地下特有の匂いだとギジョンに指摘される。
特に、ギテクの匂いはドンイクのいう度を越しているという。ヨンギョからも臭いと思われ、ひどく傷つき、それをきっかけにドンイクを殺してしまう。
さらに、大雨の中ずぶ濡れに濡れながら帰るシーンの次の日にダソンの誕生日パーティーに家に呼び出される。その際雨が降ってよかったと悪気のない言葉ではあるが、パク一家の心情を表す言葉にひどく傷つく。
拭いたくても拭いきれない、半地下で暮らすキム一家に同情したくなるシーンであった。
7.キム一家の家族団欒シーンの違い
キム一家が4人で仲良く団欒するシーンがある。
スポットライトを当てるのは半地下の時と、豪邸の時の違いである。
半地下であろうが豪邸であろうが、キム一家が仲が良いことに変わりはない。唯一違うのは豪邸での時は少しハナタカになっていることである。
半地下のままでも充分楽しく暮らせていたはずだが、欲張ってしまったがために、最後は悲しい結末を迎えてしまうことになる。
8.ラストシーンは誰の妄想?
本作の結末は誰一人として報われない展開となる。そんなラストシーンはギテク視点である。
キム一家は、ギジョンが死に、ギウは障害を持ち、ギテクは地下生活となった。
しかし、ギウとギテクはモールス信号でやり取りをしていた。いつかまた平和な生活を送ろうと感慨深い内容であった。
そして、ギウとチュンスクが引っ越してきて、ギテクが地下からゆっくり歩きながら出てきて、ギウとギテクで抱き合うというギテクの妄想であるが、ギウとチュンスク、さらにはギジョンの願いでもあるシーンである。
9.ギジョンの死
半地下で暮らすキム一家の娘ギジョン。
ギウの偽造履歴書を完璧に作り上げたり、遊び盛りのダソンもあっという間にてなづけた。
パク一家にパラサイト(寄生)するのに、全て関わっているのがこのギジョンでもある。
大雨の中家に帰り、泥水溢れるトイレの上でタバコを吸ったり、パク一家のキャンプ中に豪邸を満喫するというシーンではギジョンだけが、妙に違和感がなかったりと、冷静かつ天才肌なギジョン。そんなギジョンを死なせることで、この映画を見ている人、さらにキム一家に絶望を与えるためであろう。
ギジョンが生きていれば僅かな再起の道もあったであろう、
10.カメラワーク(貧乏一家と金持ち一家の見せ方の違い)
このパラサイトという映画がアカデミー賞作品賞を受賞した理由の一つとして挙げられるのはこのカメラワークである。
例えば、ドンイクは階段を下るというシーンが一切ない。さらに、キム一家がパク一家より目線が高くなるシーンもない。
今のは縦の構図だが、横の構図でも表現されている。例えばギウが初めて、パク一家を訪れた際にヨンギョと話すシーンがあるが、二人の間に線がある。また家政婦とヨンギョにもいびつではあるが、窓ガラスからの線が入る。
キム一家はとにかく階段を下り続ける。
このような細かい視点も注目してみるとパラサイトという映画が何倍も楽しく鑑賞できるだろう!
コメディ ホラー サスペンス ファミリー
多くの要素が詰まった最高に面白い映画!!
今見るべき映画こういうことかもしれない!
最後まで読んでいただきありがとうございます。